【邦画】「男はつらいよ 第19作 寅次郎と殿様」(1977)【野球】「意識力」宮本慎也さん

2014年05月07日

【F1】「あの事故から20年。中嶋悟が語る『セナの素顔』」中嶋悟さん

(アイルトン・)セナの何がすごいかっていうと、とにかく運転がうまいんです。ハンドルを切るのも、ブレーキを踏むのも、アクセルをコントロールするのも、全部がうまい。すべての操作を正確かつ短時間にこなすことができる

(中略)

当時のドライバーたちはレース中に接触することも厭(いと)わない、命がけで走っていたなんて、そんなバカなことはあり得ません。そんなことは冗談でも言えないですよ。もちろんF1は身体をはって限界に挑むスポーツだと身を持ってわかっていますし、時には相手のことを「この野郎!」と思いながら走ることもあります。だからといって捨て身になって、命をかけてやるものではない命をかけないように、自分の技と経験を駆使して戦うんです。

それがレースです。アイツは臆病者だと言われてもいいですが、僕はそう信じています。

(中略)

セナは運転がうまかったですが、何か特別なドライビングをしているのかといえば、決してそうではありません。僕の運転の仕方とも変わりありません。ただ、僕が1秒間で5つしかマシンの操作をできないとしたら、彼は同じ時間で8つぐらいの操作ができる。言い換えると、僕にとっての1秒はセナにとって2秒ぐらいに感じているんじゃないか、ということです。

きっと彼の目には、物事の動きが現実よりもすごくゆったりと見えていたと思います。そうじゃないと、ガードレールに囲まれた狭いモナコの市街地コースをあんなに速いタイムで走ることなどできるわけがありません。理屈が合わないんです。実際にモナコを走ると、次から次へとブラインドコーナーが迫ってきて、それに対応するだけで精いっぱいです。でも、きっとセナは周りがよく見えていて、僕が想像もつかないところまでちゃんと絵を描けているんです。だから、見えない壁の向こうにものすごいスピードで突っ込んでいくことができるのだと思います。

(中略)

たとえば、F1ドライバーはモナコGPが開催される市街地コースのトンネルを280キロ以上のスピードで駆け抜けていきます。トンネルを抜けてパッと視界が明るくなり、次のコーナーの入り口が見えます。でもコーナーが見えたあとに反応しても遅いんです。コンマ数秒で壁にゴンッとぶつかって終わりです。見えてから反応するのではなく、レーシングカーの運転では自分で時間をつくっていくんです。

モナコのような市街地コースでは、コーナーの先がまったく見えません。見えないけれども、次に起こることを予想して仕掛けていくのです。「コーナーの先は見えないけれども、クルマがこういう動きをしているので、このままで走って行けばカーブをうまくクリアして、壁の10センチ横を通ることができる」とかね。そうやって実際に目に見える前に反応して時間をつくっていくことで、タイムを削り取ることができるのです。

とはいえ、モナコはでひとつのコーナーをクリアしても、次から次へとコーナーが連続していきます。僕からすれば四六時中綱渡りしているようなものでした(笑)。だから何度も言いますが、セナの目にはよっぽど周りがのんびり見えていたんじゃないかと思うのです。

きっと他のスポーツでも、セナのようにスーパースターと言われる人たちは、同じような感覚を持ち合わせているのだと想像します。視野が広く、他の選手には見えないものが見えている。さらに言えば、目だけじゃなく、頭の回転や記憶力などもうまくリンクさせながら機能しているのだと思います。

命懸けでレースをしているドライバーは皆無であり、そもそもそんなレース運びは馬鹿げている!」。
中島悟さんのお考えは成る程であり、尤もだ。

そうなのだ。
事を為すには「懸命」が欠かせないが、それは捨て身になって、命を懸けることでは断じて無いのだ。
そんなことを本番(勝負時)で繰り返していたら身体がいくつあっても足りず、精神論や自棄っぱちを超えないのだ。
「懸命」とは、却って本番の緊急時でさえ命を懸けなくても済むよう、精神論や自棄っぱちに希望を託さなくても済むよう、絶えず自分の技術(スキル)と経験を高め、限界まで駆使できるようにする、事前の平生のプロセスに重点を置いた合理的最善努力のことなのだ。

そして、「頭が本当に良い人は、見ている所が違う」ものだが、その複眼の基盤には、自他の意味合いを感受する(→自分事[⇔他人事]として入力する)の幅の広さに加え、そうして広く入力した自分事を演算処理する技術と経験の網羅的な豊かさも在るのだ。
羽生マジック」は広くて深くて正確な読みと、トップ棋士との数多の修羅場経験の掛け合わせの妙なのだ。



★↓から転載
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/motorsports/2014/05/01/f120/ 



中嶋悟のF1日記
中嶋 悟
二玄社
1989-03




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