2013年08月26日
【邦画】「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」(1932)
〔ひと言感想〕
「偉い」とは、自分が大切にしている人から「偉い」と思われることかもしれません。
子どもは、本当に打算も容赦もありません。
子どもから「偉い」と言われる以上の褒め言葉は、この世に存在しないかもしれません。
「偉い」とは、自分が大切にしている人から「偉い」と思われることかもしれません。
子どもは、本当に打算も容赦もありません。
子どもから「偉い」と言われる以上の褒め言葉は、この世に存在しないかもしれません。
【長男】
お父ちゃんは僕たちに、偉くなれ、偉くなれと言ってる癖に、ちっとも偉くないんだね。
どういう訳で、太郎ちゃんのお父ちゃんにあんなに頭を下げるの?
【父】
太郎ちゃんのお父ちゃんは重役(=岩崎専務)だからだよ。
【長男】
お父ちゃんだって重役になればいいじゃないか。
【父】
そう簡単にはゆかんよ。
お父ちゃんは、岩崎さんの会社の社員だからね。
つまり、太郎ちゃんのお父さんから月給を貰って居るんだよ。
【長男】
月給なんか貰わなきゃいいじゃないか。
【次男】
そうだ。
そんなもの、こっちからやればいいじゃないか。
【父】
お父さんが月給を貰わなかったら、お前たちは、学校へ行く事も、ご飯を食べる事も出来ないぞ。
【長男】
明日からご飯食べてやるのよそう。
どうして、太郎ちゃんのお父ちゃんだけ重役で、うちのお父ちゃんは重役でないの?
【父】
太郎ちゃんとこは、お金持ちだからだよ。
【長男】
お金があるから偉いの?
【父】
お金がなくて偉い人もある。
【長男】
お父ちゃんはどっちだい。
【父】
どうしてお前たちは、そんな事をうるさく聞くんだ。
【次男】
矢張り(お父ちゃんは)偉くないんだよ。
【長男】
(※怒ったお父ちゃんの顔を見ながら)そんな顔、こわくないや。
お父ちゃんの弱虫。
お父ちゃんの意気地なし。
(※お父ちゃんが兄の尻を叩く)
(※兄弟共に、泣き出す)
【母】
お前たちはいい子だからおだまりね。
【長男】
僕は太郎ちゃんより強いし、学校だって上なんだ。
大人になって、太郎ちゃんの家来になる位なら、学校なんかやめだい。
(中略)
【次男】
兄ちゃん、ぶたれたね。
【長男】
いくらぶったって、偉くないものは、偉くないんだ。
●
【長男】
君のうちのお父ちゃんと、僕のうちのお父ちゃんと、どっちが偉いと思う?
【岩崎太郎】
(※一旦自分を指差すも、下ろし)君の家の方が偉いよ。
【長男】
ほんとは君の家の方が偉いんだよ。