【邦画】「馬鹿まるだし」(1964)【BSNHK】「ロイヤルスキャンダル第一回/姉と妹」エリザベス女王

2013年01月09日

【毎日】「ストーリー/ユニクロ率いる柳井社長」柳井正さん

自らも同じ道をたどった元社長の玉塚(元一)氏はこう話す。
「(05年に)僕が辞めた後、大量に(社員が)辞めました。普通のサラリーマン的な人間にはついていけないもん。でも、彼はすごく純粋だし、その瞬間のベストの解を出そうとする。それが実は正しい」。
柳井氏が当時持ち込んだ変化が急成長につながった、と評価する。

生き残る、いや成長するために変わり続ける、ということなのか。
柳井氏は明快だった。
「変わらなくても生き残れると思っているのが間違いだ」

人材の新陳代謝が伴う経営姿勢は苛烈に見える。
だが、単なる「厳しさ」とは異なる。
たとえばこうも話した。

個人が責任をとらない社会はよくない。部下が失敗した時、上司が出てきて『私の責任です』(とかばうの)ではなく、失敗した本人に『お前が悪いんだ』と言うべきだ。それで初めて、指導なんです。こう悪かったから今度はこうします、と言わせなきゃいけない」。
追い込むことが目的ではない。
失敗しても、傷が浅いうちにやめれば、次にまたチャンスがくるんですよ

柳井自身、失敗を重ねてきた。
02年に野菜の直売店やネット販売に進出し、わずか2年でただんたこともある。
商社から転職3年目の柚木治氏(47)がアイデアを出し、柳井氏が取締役会の反対を押し切って始まった新規事業だった。
結局、26億円の赤字だけが残った。

「顔を上げて生きていく自信がなくなった」という柚木氏が辞職を申し出ると、柳井氏は「なに言ってるんですか、金、返してください」と止めた。
柚木氏は「(失敗して)勉強したんだから、それを会社で生かせ、という意味だと感じた」と振り返る。
この後、FRはユニクロなど本業の衣料品事業に集中していく。
「必要な失敗だった」と柳井氏は語る。
いま、柚木氏はユニクロの姉妹ブランド、ジーユーの社長だ。

もとよりファーストリテイリングの柳井正社長の言動は共感に富むが、本記事でのそれ(※赤フォント箇所)はとりわけ共感できる。
私が柳井社長でも、同様の言動をしたに違いない。
なぜか。
さもなくば、同じ失敗をする確率が下がらないばかりか、組織のリソースがもたないからだ。
失敗は無くならないが、同じ失敗をしてはいけない。
組織の失敗には必ず原因があり、それは全関係者の個人に帰着する。
経営者には経営者なりの過失が、上司には上司なりの過失が、担当者には担当者なりの過失が、必ずあるのだ。
いかなる組織も、リソースは有限だ。
組織に所属する個人が、自分の役割と責任における自分の過失とその原因、ひいては、自分の至らなさ、を思い知り、解決可能な行動計画に即着手して改めなければ、失敗に要したコストがリターンを生まない本当のコストに堕し、その「失敗コスト」倒れで組織そのものが倒れてしまう。

ちなみに、私がかくもコストにシビアになったのは、社会人三年目の春のことだ。
当時私は、自動車メーカーに在籍し、系列販売会社の経営指導をする任務に就いたばかりだった。
私は本当に未熟で、自分の仕事に疑問ばかり抱いていた。
ある日、私は上司にそれを吐露した。
すると、彼はこう言った。

自分が本当に良いと思うことを、販社に言い(=提案し)、一緒にやりなさい。
それが、本当にその販社にとって有意義で、良いことなら、いかにお前が無愛想で、社長らと喧嘩しても、販社は、本当に困った時、お前宛に電話をかけてくる。
大丈夫、お前の担当はまだラクな方だ。(笑)
異業種(※資本関係の無い企業)の販社には、「来ないでくれ」と言ってくる販社があり、実際、同期が言われた。
「どうせ、あなたがウチに来ても、車がもっと売れるようになるわけでも、もっと儲かるようになるわけでもない。
でも、あなたがウチに来れば、来た手前、相手をしなければいけない。
テマヒマがかかり、迷惑なだけだ。
とはいえ、あなたもサラリーマンだから、ウチに来ないわけにも行かないだろう。
だから、ウチにはちゃんと来たことにしてあげる(=そう上司に報告してあげる)から、来ないでくれ
来ないことがやましいなら、来たら使ったはずの出張旅費をSP費用(販売奨励金)としてくれ(=提供してくれ)」、と。

私は、前段の話には大いに励まされたが、後段の話に深く考えさせられた。
しかし、胸中で反芻すればするほど、尤もだと思った。
そうなのだ、ビジネスは命懸けなのだ、と。
企業のリソースは有限で、コストはリターンが見込めるモノにのみ投じるべきなのだ、と。
見込めないモノには、びた一文たりとも投じてはいけないのだ、と。
一旦投じたコストは、何としてでもリターンさせ、最悪プラマイゼロで回収しなければいけないのだ、と。

しかし、柳井社長がかくなる一見苛烈で、人でなしな言動を選好、励行するのは、コストにシビアなことに加え、組織のリーダーである自分に敢えて背水の陣を強いることが本意に思えてならない。
組織の崩壊の元凶が内部(⇔外部)要因であり、その多くが「リーダーの不在」と「変化の未遂」に起因するのは、歴史が示している通りだ。
部下、社員の「逃げ」、「退路」を断つことで、上司、経営者、リーダーである自分の「逃げ」、「退路」も根こそぎ断つ。
そして、四面楚歌の極限の緊張のもと、咎めるべき自分を正確に咎め、否定すべき自分を真摯に否定し、組織のリーダーとしての成長と存在を、ひいては、組織の変化を絶やさない。
これこそが、柳井社長の本意に思えてならない。


★2013年1月6日付毎日新聞朝刊四面から転載
https://twitter.com/mainichi_tap_i/status/287736482951729153
https://twitter.com/mainichi_tap_i/status/288966573568450561
https://twitter.com/kimiohori/status/289142424083771392



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