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2012年04月24日

【朝日】「降級の藤井九段 “新鉱脈”にかける」藤井猛さん

「ただ上を目指すより、落ちまいと土俵際で踏ん張る方が、使うエネルギーもプレッシャーもはるかにきつい」。

「落ちない」のは現状維持に過ぎず、何も新たに得られない。
しかも、「落ちた」ら、これまで得られていたモノが奪われる。
当時、藤井猛九段が対峙した可能性は、リターンの無い、奪われる一方のリスクだ。
藤井さんがきついとお感じになったのは、自然だ。


緻密(ちみつ)な研究を重ねて生まれたのが、藤井システムだった。常識をひっくり返す作業は「快感の一方で、大変な勇気が必要だった」と話す。

「常識をひっくり返す」のは不遜だ。
なぜなら、それは、「非常識を肯定する」のは勿論、「衆人を疑う」、「先人(の偉業)を否定する」、「顰蹙を買う」のに等しいからだ。
当時、藤井さんが大変な勇気を求められたのは、自然だ。

しかし、だからこそ、その果てに誕生した藤井システムは、正に大リーグボール1号と相成り、数年に渡り無敵足り得たのではないか。
そして、藤井さんが数多の棋士、ファンから一目置かれる、敬愛されるのは、実力者であられるのは勿論、「人と違うことをやる」という勝負の本質に忠実な勇者であられるからではないか。


「降級した今より、A級にいても、藤井システムが徹底的にたたかれたこの7、8年の方がつらかった」と言う。

 昨年から、指す棋士の少ない戦法「角交換振り飛車」ばかり指している。「エースを育てるには実戦しかない」。昨年度は15勝20敗の成績だったが、「僕自身のミスによる逆転負けも多く、戦法自体は悪くない」と断言する。

「藤井システムがだめになって、むしろありがたいと思うようになった。今も勝ち続けていたら、進歩せずに終わっていた。それは恐ろしい」

 B級2組に3年いる覚悟はある、という。「以前は、A級棋士がB級2組に落ちたら『墓場行き』と思った。でも本当に終わりかは、その人次第。いつか落ちるなら、また上がる機会をねらえる若いうちがいい。新しい鉱脈を見つけた今は、地球の裏側で、裕福ではないけど、初めて見る景色と新鮮な空気の中で生きている気分です」

将棋界では、「不調も三年続けば実力」と言われる。
藤井さんは二年連続降級だが、これは不調のてん末なのか。

その前に、そもそも不調とは何か。
私たちは、将棋に限らず、とかく「実力者が期待値以下の成功、成果に甘んじている様」を不調と理解するが、それで良いのか。

私の考えは「否」だ。
その理解は、「他者の勝手な早合点」であり、詰る所、「非凡に対する下衆の勘繰り」だ。
現に、過日の名人戦第一局での森内俊之名人の「鉄板流」完勝は、ここ半年勝利にありつけなかった、11連敗なる不調のてん末と到底理解できない。
森内さんの11連敗は不調ではなく、勝つべき時に勝つ、即ち、名人戦で羽生善治二冠に勝つ非常識な準備だったのではないか。

不調とは、「やるべきこと」をやっているものの、成功、成果に恵まれてない様のことだ。
「やるべきこと」は人様々であり、また、「やるべきこと」をやっている否かは本人以外知り得ない、
つまり、不調の真の理解者は本人ないし歴史以外存在し得ず、藤井さんの連続降級が不調のてん末か否かは不明だ。

しかし、藤井さんは、不断の進歩、成長を志向し、遂に大リーグボール2号の鉱脈を発見なさった。
これをして、連続降級が、森内さんよろしく、不調ではなく、近い将来タイトルに復位する非常識な準備ないしプロセスだったと理解するのは、余りに藤井さん持ちだろうか。(笑)
ともあれ、かくして希望という「楽観の欠片」や「生甲斐のよすが」を自覚した藤井さんが、棋界の墓場へ行かれるのは、更に遠い未来になったに違いない。



★2012年4月17日付朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/shougi/news/TKY201204170303.html



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