【観戦記】「第70期名人戦A級順位戦〔第35局の1▲佐藤康光九段△三浦弘行八段〕対局前のポカ」椎名龍一さん【BSNHK】「ほっと@アジア/ゲイリ・ライが語るアジアの美」ゲイリ・ライさん

2012年02月13日

【観戦記】「第70期名人戦A級順位戦〔第35局の3▲佐藤康光九段△三浦弘行八段〕佐藤将棋の魅力」椎名龍一さん

佐藤は時折、「誰も私の将棋を真似しようとしないんですよね」と不満げな表情を作ってみせることがあるが、その後には口元にうっすらと笑みが見え隠れする。

玉の堅さという実利を追求して戦うタイプが多い現代将棋において、佐藤将棋は薄い玉型のリスクを背負うことをいとわない。
主流とは真逆に流れていて誰も真似できないのだ。
他の棋士とは一線を画す佐藤将棋の魅力がそこにある。
佐藤がかすかに見せる口元の笑みは、誰も入ってこられずにいる自分だけの領域に対する自信の表れではないかと思う。

「佐藤将棋」は、現在進行中の第61期王将戦七番勝負で、正に炸裂している。
前代未聞の▲5七玉で制した第一局、そして、敗勢から猛追、逆転した第二局は、正に「佐藤将棋」に違いない。

なぜ、情報化が進んだ今(でも)、他のプロ棋士は誰も、「佐藤将棋」を真似しようとしないのか。
また、真似できないのか。
とどのつまり、「佐藤将棋」は戦法ではないからだ。
将棋に限らず、他者が真似できるのは、基本、戦法という一局面でのソリューション、方法論だけだ。
「対戦相手」ではなく「過去の自分」に勝つことを一義とする佐藤康光九段の高邁な決心と生き様を、佐藤さんご自身以外誰が真似できよう。



★2012年2月11日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/



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