【観戦記】「第70期名人戦A級順位戦〔第28局の2▲久保利明王将△郷田真隆九段〕悔やんだ一手」加藤昌彦さん【観戦記】「第70期名人戦A級順位戦〔第28局の5▲久保利明王将△郷田真隆九段〕久保、勝勢を築く」加藤昌彦さん

2012年01月05日

【観戦記】「第70期名人戦A級順位戦〔第28局の4▲久保利明王将△郷田真隆九段〕盛り返したか」加藤昌彦さん

いまだに久保(利明王将)優勢だが、郷田(真隆九段)が少し盛り返したのではないかと控室の検討陣は見ている。

しかし、久保には動揺はなかった。
読み筋通りに振興していたからだ。

(中略)

深夜の控室に、久保の師匠の淡路仁茂九段の姿も見える。

「こんな時間まで、将棋会館にいるのなんて久しぶりやな」と淡路九段。
久保に無言のエールを送っているように見えた。

以前何かの場で、米長邦雄永世棋聖が、「現在、王将と棋王を持っている久保利明(二冠)の師匠に淡路仁茂(九段)というのが居るが、彼は久保と19枚落ち(=王様以外の全ての駒を落とした、最高ハンデの対局)で指し始めた(=指導を始めた)。彼にとって久保は、『自慢の弟子』だ」との旨仰っていた。
淡路さんにとって久保さんが『自慢の弟子』なのは、自分が成し遂げられなかったタイトルの獲得を久保さんが成し遂げた「成果」に加え、自分が久保さんに正に一から将棋を教えた「自負」が大きいのではないか。

親にとって『自慢の子ども』は、『終生可愛い子ども』だ。
同じく、師匠にとって『自慢の弟子』は、『終生可愛い弟子』であり、勝負の世界に生きた最後かつ最高の賜物に違いない。
『自慢の弟子』の勝敗、行く末を見届けるのは、師匠の本分かつ本望に違いない。



★2012年1月5日付毎日新聞朝刊将棋欄
http://mainichi.jp/enta/shougi/



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