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2011年07月13日

【インタビュー】「10年続けるつもりで、やりなさい」羽生善治さん

ただ、どうして将棋に熱中したかというと、他のゲームはしばらくやると、なんとなく「こういう風にやれば勝てる。」「こういうパターンでやればいいんじゃないか。」というのが、見えるとまでは言わないんですけども、なんとなく輪郭がわかってきたのに対して、将棋というのはまったくそれがわからなかったんです。そこに、とても惹きつけられていました。

この内容は以前「100年インタビュー」でも見聞しているが、久しぶりに改めて活字で読むと、すごい内容だ。
改めて感動した。

「要領がつかめないモノに、要領がつかめないモノほど、惹かれる、惹かれ続ける」。
私は、44年の人生に中で、この逆の習性の人を山ほど見かけたが、この習性を持つ人を殆ど見かけていない。
そして、自分自身、この習性を持っていると言えない。

なぜ、私たちは、この逆の習性を持っているのか。
なぜ、羽生善治さんは、この習性を今なお持ち得ているのか。
妄想の域は出ないが、「『成功の定義』の違い」に因るのではないか。

羽生さんが思考、希求する成功とは、「勝率100%の『絶対的な法則』を会得すること」なのではないか。
羽生さんからすれば、「眼前の相手に勝利すること」や「(それにより)社会的ないし経済的な報酬を得ること」は、希求し続ける過程でたまたま授かった副産物や、マラソンでの給水/給食の類に過ぎず、成功の範疇に入らないのではないか。

もちろん、「勝率100%の『絶対的な法則』」というのは、将棋に限らず殆どのモノが(人間が発見でき得)ない。
しかし、羽生さんは「それでいい」、「それだからこそいい」とお考えなのではないか。
不謹慎かつ不本意な妄想だが、もしコンピュータが将棋の「勝率100%の『絶対的な法則』」を発見してしまったら、羽生さんは誰より早く現役を引退なさるのではないか。

一方、羽生さん以外の棋士や私たちの多くが思考、希求する成功とは、やはり、「眼前の相手に勝利すること」や「高勝率で社会的ないし経済的な報酬を得ること」なのではないか。
「高勝率を上げる法則を見出すこと」には関心が高く、深く取り組むが、「勝率100%の『絶対的な法則』を会得すること」には関心が低く(←「そもそも発見不能ゆえ希求すべきでない」と思考している)、成功の範疇に含めていないのではないか。

以上の妄想が相応に正しいとすれば、羽生さんの勝利は、正に「無欲の勝利」だ。
勝利の女神がこれまで羽生さんに多々微笑んできたのは、そういうことなのか。



★「DANNAmethod/RELAY OF LIFE STOCK」より
http://www.winpeace.jp/project/relayoflifestock/habu/1.php



100年インタビュー 羽生善治 [DVD]
羽生善治
NHKエンタープライズ
2009-02-27




kimio_memo at 07:15│Comments(0)TrackBack(0) web 

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